【感想】ワンダーストラック(2018年)

映画感想

ワンダーストラック

ポスター画像

あらすじ

1977年、ミネソタ。母親を交通事故で亡くした少年ベンは、母の遺品の中から、会ったことのない実父に関する手がかりを見つける。その50年前、1927年のニュージャージー。厳格な父に育てられる聴覚障害の孤独な少女ローズは、憧れの女優リリアン・メイヒューの記事を集めたスクラップブックを大切にしていた。ある日、ベンは父を捜しに、ローズは憧れの女優に会いに、それぞれニューヨークへ向かう。2人の物語は、やがて不思議な縁で結びつき……。(映画.comから)

スタッフ・キャスト

監督 トッド・ヘインズ
製作 クリスティーン・ベイコン、パメラ・コフラー、ジョン・スロス
製作総指揮 ブライアン・ベル

キャスト
オークス・フェグリー:ベン
ミリセント・シモンズ:ローズ(12歳)
ジュリアン・ムーア:ローズ(62歳)/リリアン・メイヒュー
ジェイデン・マイケル:ジェイミー
ミシェル・ウィリアムズ:エレイン

予告編

感想

予告編を見て、これはおそらく自分の好きなタイプの映画だと勝手に思っていた。いい感じの子役に、母親がミシェル・ウィリアムズ、さらにBGMはデヴィッド・ボウイのSpace Oddity。もはや敵なしの布陣!ということで、なんばパークスシネマで鑑賞してきました。

正直なところ、期待してたのとはかなり違う趣の作品でしたよ。

1977年のベン編と、1927年のローズ編が並行して進んでいくのだけど、ロース編が見ていて非常にしんどい。聴覚障害者という設定もあって無声映画のような演出で進行するのだけれど、声が出ないのが本当にムズムズする。コミュニケーションが取れないっていうのにはある種の恐怖を感じる。時代を感じさせる効果音も、いまの時代にやられるとなんかビビる。

ベンも作中序盤で事故にあって耳が聴こえなくなるけれど、こちらは筆談などで積極的にコミュニケーションを取ろうとするので、ローズ編に比べてだいぶ見やすい。それでもやっぱり意思疎通が不十分な感じはあるのだけど。いっそのことベン編だけでまとめてくれた方が、と思わなくもない。

50年の時を超えてリンクするストーリーにも、ちょっとピンとこない感じがする。展開も全然想像の範囲内だし。こんなことを言い出すとこの原作を映画化する意味すらなくなるのかもしれないけど、ローズ編をもっと短くして、母親とベンの絡みを多く見せた方が感情移入もスムーズになったのでは。

そういえば、本作と同じくブライアン・セルズニックが原作の「ヒューゴの不思議な発明」もあまり得意じゃなかったし、この原作者と相性が悪いのかもしれない。

評価

管理人の評価:★★★(3.0/5.0)

部分的には光るものも多い作品だと思うのだけど、なんだかうまく噛み合っていない感じがします。

映画の面白さの大半は、会話などのコミュニケーションにあると思っているので、タランティーノ作品ばりにどうでもいい話をして欲しかったというのが個人的な偏った意見。試み自体は面白いと思うので、サイレント部分を楽しめる人ならもっと評価が上がる、はず。。。

コメント

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