ART-SCHOOL「In Colors」
感想・レビュー
ART-SCHOOLが新譜を出したのは知っていたのだけど、なんだか食指が動かず、聴いていませんでした。というのも、自分は最近の音源より初期の音源の方が好きで、最近の音源を聴くたびに違和感を覚えてしまうというのがあって。なので、直近に出した初期のB面集的な「Cemetery Gates – B Sides Best -」は興奮して聴いたものの、肝心のオリジナルアルバムには興味が出ず。。。
しかし、発売からしばらく経ってからネットでアルバムの評価を見てみると、絶賛されているではありませんか!絶賛していない評価でも、概ね好意的な意見が多くて、これは最近のART-SCHOOLからすると信じられないことで。じゃあ試しに聴いてみるかということで、聴いてみました!
結果として、ここ最近で一番しっくりこないアルバムでした。。。変化しようという気持ちはよくわかるんですが、けっこうキツいというか、ダサい部分が目立つような。
顕著なのが、歌詞の変化。今までも褒めれたものではなかったけれど、個人的には時折表れるフレーズに心を洗われるようなことがあったのも事実だったりして。ただ、今作では付け焼き刃の大衆性みたいなのが感じられて、なんだか歯痒さを感じてしまう。というか、昔によく比較されていたSyrup16gの影響を受けすぎでは。
2曲目「Touching distance」での”転がっていけよ 一生 荒野の方へ”とかSyrup16gの「I・N・M」の”転がされてけよ もう一生”からの引用としか思えないし。タイトルが凛として時雨っぽい「Shining 夕暮れ」の”食べれてますか? まあなんとか”とかにしても、Syrup16gの「生活」の”生活はできそう? それはまだ”みたいな歌詞の書き方を踏まえてる気がしてならない。そもそも「OK & GO」で描こうとしている景色はSyrup16gの「イマジン」なのでは?
というわけで、リリック面ではSyrup16gに影響受けまくりだと思うのですが、肝心の楽曲も正直微妙。特に「Dreaming Of You」みたいな疾走系の曲は、もうやらなくてもいいのではと思っています。もともとこのタイプの楽曲はブロック・パーティー(Bloc Party)を意識して始まったと思うんですが、いまいちバンドにハマっていない気がしますし、もう飽食気味のような。まあ、一定数の支持層もいるんでしょうけれど。。。
あとは、メロディが枯渇しているというか、歌メロがダサい。タイトルトラックの「In Colors」とかイントロのスケール感は良さげなのに、Aメロの歌の詰め込み方が、お笑い芸人のどぶろっくみたいでなんだか聴いてて恥ずかしいです。(こう感じるの自分だけでしょうか?)
自分としては、どうして評判がいいのか理由がよくわからないアルバムでした。邦楽について批判的なことを勝手気儘に書くと、エゴサーチとかで炎上すると嫌だなあと思って書いていなかったのですが、評判がいいみたいなので、たまにはこういう意見があってもいいかなと。ここ数年の楽曲でも「You」とか「android and i」とか良曲も書いていると思うので、シンプルにダサくない楽曲を書いて欲しいなあと思います。ちなみに、過去作で賛否両論あった「革命家は夢を観る」とかは自分は良曲だと思っていますよ!
管理人の評価:★★☆(2.5/5.0)
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