フロントランナー(原題:The Front Runner)
あらすじ
1988年アメリカ大統領選挙。ゲイリー・ハート上院議員は、史上最年少の46歳で民主党の大統領候補となり、予備選で最有力候補として一気に躍り出た。その若さからジョン・F・ケネディの再来と称され、大衆からも愛されていたハートの状況を一変させる出来事が起こる。アイアミ・ヘラルド紙の記者が入手したハートに関する「ある疑惑」。このスキャンダルが一斉に報じられたことで、ハートの支持率は急落し、予備選の当落線上から姿を消すことになってしまう。(映画.comから)
スタッフ
監督 ジェイソン・ライトマン
製作 ジェイソン・ライトマン、ヘレン・エスタブルック、アーロン・L・ギルバート
製作総指揮 マット・バイ、ジェイ・カーソン、マイケル・ビューグ、ジェイソン・ブルーメンフェルド、ジョージ・ウルフ、ジェイソン・クロス、クリス・コノバー、エドワード・カーペッツィ
原作 マット・バイ
脚本 マット・バイ、ジェイ・カーソン、ジェイソン・ライトマン
撮影 エリック・スティールバーグ
美術 スティーブ・サクラド
衣装 ダニー・グリッカー
編集 ステファン・グルーブ
音楽 ロブ・シモンセン
キャスト
ヒュー・ジャックマン:ゲイリー・ハート
ベラ・ファーミガ:リー・ハート
J・K・シモンズ:ビル・ディクソン
アルフレッド・モリーナ:ベン・ブラッドリー
ケイトリン・デバー:アンドレア・ハート
モリー・イフラム:アイリーン・ケリー
クリス・コイ:ケヴィン・スィーニー
アレックス・カルポフスキ:マイク・ストラットン
ジョシュ・ブレナー:ダグ・ウィルソン
トミー・デューイ:ジョン・エマーソン
マムドゥ・アチー:A・J・パーカー
アリ・グレイナー:アン・デヴロイ
スティーブ・コールター:ボブ・カイザー
スペンサー・ギャレット:ボブ・ウッドワード
スティーブ・ジシス:トム・フィドラー
ビル・バー:ピート・マーフィー
ケビン・ポラック:ボブ・マーティンデール
マイク・ジャッジ:ジム・ダン
サラ・パクストン:ドナ・ライス
トビー・ハス:ビリー・ブロードハースト
予告編
感想・レビュー(ネタバレあり)
『グレイテスト・ショーマン』で若者人気が急上昇したヒュー・ジャックマンの主演作なのだけど、自分は熱心なファンというわけではなくてグレショも興味が湧かなすぎて未見だったりします。ただ、本作に関しては信頼の置ける男ジェイソン・ライトマンの監督作なのでもちろん観賞してきました。
内容としては、米大統領候補が不倫疑惑スキャンダルによって失脚する実話をベースに描かれているのですが、なんとも地味な作品でした。テーマがテーマだけに、華やかさは全くなく淡々と展開が進む。ストーリーに特に盛り上がりどころはなく、逆にじわじわと盛り下がっていくような。
ヒュー・ジャックマンが演じるゲイリー・ハートを必要以上に魅力的に描かない点は好印象だけど、ヒュー様ファンにとってはちょっと期待はずれかもしれない。ゲイリーは主役ではあるが、政治を語るのが上手いが人間的には問題がある人物として描かれ、視点としてもそこに寄り添うわけではないので感情移入はしづらい。
マスコミ報道のあり方や政治家に求められる倫理観など、何が正しいのかという疑問を提示して、答えを観客に委ねるという手法はすごくライトマン監督らしい。『サンキュー・スモーキング』や『マイレージ・マイライフ』でも同様の手法で、観賞後に議論が起こるという点は監督の狙い通りなのかも。
個人的にはマスコミのやり方はクソだと思っているし、有能な政治家の不倫問題を取り上げて失脚させることに意味があるのかというのは甚だ疑問なのだけど、彼の脇が甘かったのも事実で、その辺の甘さは大統領になるには致命的なのかもと思ったり。あと、嫌なところや不快なところを突かれるとすぐに怒っちゃうのがダサかったなと。
評価
管理人の評価:★★★☆(3.3/5.0)
観るひと各々の倫理観によって見方が変わる点は非常に面白いのだけど、ちょっと地味すぎたかなという印象。もうちょっとゲイリー自身の葛藤がわかりやすく描かれれば印象が変わったのでは。ヒュー様ファンにはあまりおすすめしません。
報道を扱った違う視点の作品としてスピルバーグ監督の『ペンタゴン・ペーパーズ』を併せて観るのも面白いかも。
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