ゲティ家の身代金(原題:All the Money in the World)
あらすじ
73年、石油王として巨大な富を手に入れた実業家ジャン・ポール・ゲティの17歳の孫ポールが、イタリアのローマで誘拐され、母親ゲイルのもとに、1700万ドルという巨額の身代金を要求する電話がかかってくる。しかし、希代の富豪であると同時に守銭奴としても知られたゲティは、身代金の支払いを拒否。ゲイルは息子を救うため、世界一の大富豪であるゲティとも対立しながら、誘拐犯と対峙することになる。(映画.comから)
スタッフ・キャスト
スタッフ
監督 リドリー・スコット
製作 ダン・フリードキン、ブラッドリー・トーマス、クエンティン・カーティス、クリス・クラーク、リドリー・スコット
原作 ジョン・ピアソン
脚本 デビッド・スカルパ
撮影 ダリウス・ウォルスキー
美術 アーサー・マックス
衣装 ジャンティ・イェーツ
編集 クレア・シンプソン
音楽 ダニエル・ペンバートン
キャスト
ミシェル・ウィリアムズ:アビゲイル(ゲイル)・ハリス
クリストファー・プラマー:ジャン・ポール・ゲティ
マーク・ウォールバーグ:フレッチャー・チェイス
ロマン・デュリス:チンクアンタ
ティモシー・ハットン:オズワルド・ヒンジ
チャーリー・プラマー:ジャン・ポール・ゲティ3世
アンドリュー・バカン:ジャン・ポール・ゲティ2世
予告編
感想・レビュー
「ゲティ家の身代金」に関しては、主演のミシェル・ウィリアムズが大好きということもあって、公開前から観たいとは思っていたものの、上映時間と予定がなかなか噛み合わず、なんとか上映終了間際になんばパークスシネマで鑑賞できました。
本作といえば、公開の直前にジャン・ポール・ゲティ役だったケビン・スペイシーがスキャンダルを起こして降板したということで、内容よりその辺のゴタゴタの方が話題になってたり。。公開延期かと思いきや、代役を充てて9日間で撮り直したとか、リドリー・スコットのバイタリティは凄まじいですな。リドリー・スコットにせよ、クリント・イーストウッドにせよ、80歳を超えてなお精力的に映画を撮り続けてくれることにはただただ感謝するしかないです。有難や有難や。
さて内容はというと、事前に勝手に予想してたよりはエンタメ成分が薄め。大金持ちなのに金を払わないジジイ(クリストファー・プラマー)からあの手この手で金を引き出そうとする義理の娘(ミシェル・ウィリアムズ)みたいな話だと思ってたんだけど、その辺の攻防戦はあまりなかったのです。ミシェルも誘拐犯(ロマン・デュリス)も、終始ジジイに翻弄されてましたよ。
ジジイはシンプルになかなか金を払わないというだけの役回りなんだけど、なぜか圧倒的な存在感で。ジジイの思考についていけなさすぎて、だんだん宇宙人に見えてくるというのは、観てる人の大半が理解ってくれるはず。にも関わらず、”儲けるのは簡単だが、金持ちになるのは難しい”とか、ちょっと考えさせられる名言を量産するのも面白い。正直なところ、良くも悪くもジジイが金を払わないせいで、ちょっと間延びしてしまってる感もあるのだけど、役者がみんな魅力的なのでなんとかもったという印象。個人的には、序盤に少しだけあった「孫とジジイの触れ合い」みたいなのがもうちょっと見たかった気もする。一瞬だけジジイ良い奴かもと錯覚させられました。
あと、観る前はこの映画がPG15なのが疑問だったんだけど、あるシーンで納得。タランティーノが「レザボア・ドッグス」で写すのを避けたシーンをがっつり撮っちゃっうんだから、やっぱりリドリーも侮れないジジイだなと。
評価
管理人の評価:★★★☆(3.5/5.0)
全体的にバランスの良い映画ではないと思うのだけれど、守銭奴ジジイは一見の価値あり。これが実話ベースっていうんだからすごい人がいたものだ。
そういえば、ミシェル・ウィリアムズとマーク・ウォールバーグの撮り直しの際のギャラが1500倍差とかだそうで男女格差だなんだでバッシングを受けていたけど、作中の「女に交渉は無理だ」みたいな台詞はすごい皮肉だなあと。たぶん意図しての台詞ではないんだろうけど、さすがジジイと思ったりしましたよ。
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